【信用取引コラム 実践編】
第1回 信用取引と「時」
2014.11.10
信用取引の実践編を学ぶにあたってまず確認しておかなければならないのは、信用取引の特徴を知る事です。戦う時に自分の持っている武器がどのようなものか、性能はどうか?自分が使いこなせる武器なのか?確認してからではないと戦えません。どんなに切れ味が良くても、重くて持ち上げられない剣は使い物にならないのと同じことです。
信用取引の特徴をランダムに羅列して見ましょう。(1)返済期日がある。(2)建玉に金利がかかる。(3)空売りが出来る。(4)保証金の3.3倍まで建てられる。(5)売り建玉に逆日歩がかかる事がある。(6)建玉残高がわかる。(7)建玉が決算期をくぐると現物と同じく配当相当額が貰える。(8)取引規制がかかる場合がある。でしょうか。それぞれの解説は「信用取引の実践編」ですので省きます。
これらの特徴を理解すれば信用取引と言う武器を使う「時」がおのずとわかるでしょう。例えば、待ち伏せ狙いで「低PER・低PBR」銘柄を買うときは、思惑通りになるまでの期間(2)建玉に金利がかかるので、現物取引で対応すべきで信用取引は使うべきではないという事になります。従って安値圏で使う武器は現物取引で、動き出してから使う武器が信用取引と言えます。トレード理論から言うと、安いところを買って高いところを売るのが現物取引で、高いところを買ってより高いところで売るのが信用取引とも言えます。この武器の選択こそが信用取引実践編で最初に注意する事です。この選択を間違うとだらだら長期間のホールドを余儀なくされ、金利負担と(1)返済期日到達の乗り換えクロス手数料で、株価の下落は小さいのに損が大きくなってしまうケースが多々あります。最近は無期限信用制度もありますが、クロス手数料がかからないメリット以上に、長期保有による金利負担とだらだら下落で大きな損失につながるデメリットの方が大きいと感じます。統計でも信用取引の返済期間は短いほど良い結果が出ています。相場格言にも「大回り三年、小回り三月」とありますが、株価の動きにつく武器が信用取引なら、3か月以内に成果が出なければその戦いは負けと見るべきです。私は信用取引の返済期日は3か月一本にすべきだと思っています。それは証券会社にクロス手数料が欲しいから言っているのではありません。投資家にとってその方がメリットが大きいと思うからです。3か月以内に上がる株の選択は、3年以内のそれより、真剣で厳しい判断が必要になります。その中で選んだ銘柄は当然、返済期日延長のクロスはすべきではありません。これをしっかり実践出来たら、株式投資はその分優位に展開できると信じています。
さてこの度、私平野憲一は10回連載のこの信用取引実践編のコラムを仰せつかりました。1970年に立花証券に入社以来株一筋に、個人投資家の皆様、機関投資家や外国人投資家、デイトレーダの方々、投資顧問や所謂仕手筋まで、色々な方から学んできました。ヘッジファンドの投資手法などは信用取引の実践編に大いに参考になります。それらを皆様にお伝えできたら、これほどの喜びはありません。初回の今回は、実践編とは言え基礎的な色彩の濃いものになりましたが、信用取引と言う武器と「時」との関係をはっきりさせることがこのコラムスタートにふさわしいとの思いで、選びました。
次回以降のキーワードを順不同で申しますと、
・成功は運ではない 常に勉強
・運用を学ぶのが信用取引
・現物は配当と夢を買う
・運用資金は現在の額だけと思え
・潮時の見極め
・下げ相場に参加できる 売るのに安すぎるという事は無い
・買いが善で売りが悪という事は無い
・相場は何が起きるか分からない
・大敗を避ける方法 私のおすすめ法
・クジラが3文でも銭が無くては買えぬ
・ヘッジファンドの運用の仕方と共通点
・安いところを買って高いところで売るのは現物
・高いところを買って更に高いところを売るのが信用
・プログラム売買 言うところのバイプロ
・週刊誌のインタビュー依頼のエピソード
・信用取引は休んではいけない
平野 憲一(ひらの けんいち) |
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- 株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動に伴い、株価や基準価額が変動することにより、投資元本を割り込み、損失(元本欠損)が生じる恐れがあります。 また、これらにより生じる恐れがある損失の額は、差し入れた保証金(当初元本)を上回る損失が生じる恐れがあります。
- 株式は株価変動等により損失が生じる恐れがあります。株式の発行者や組入れ有価証券の発行者の業務や財産の状況、市況の変化に伴い、株価や基準価額が変動することにより、投資元本を割り込み、損失(元本欠損)が生じる恐れがあります。ETNは裏付けとなる資産を保有せず、発行体となる金融機関の信用力を背景として発行される証券であることから、発行体の倒産や財務状況の悪化等の影響により、ETNの価格が下落する又は無価値となる可能性があります。これらにより生じる恐れがある損失の額は、預託した委託保証金の額を上回る恐れがあります。
- 約諾書の印紙代が必要な場合は、当社が負担いたします。
- 取引に際し、売買代金の30%かつ30万円以上の委託保証金が必要です。株式・投信で代用する場合は、原則、基準値段の80%で評価されます。
- 信用取引は、取引しようとする額の30%の委託保証金(最低委託保証金額は30万円)を預託することにより取引が行えることから、取引額は預託すべき委託保証金の額を上回ります。その比率は、約3.33倍です。
信用取引には、金利等の諸経費が必要です。 - 建株の評価損や諸経費、代用有価証券の値下がり等により、計算上の委託保証金の額が25%未満または30万円未満となった場合、不足額を当社所定の日時までに差し入れていただく必要があります。差し入れが確認できなかった場合、当社の任意で建株の全部を決済させていただきます。
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